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笹幸恵
2021.12.24 00:14皇統問題

西村幹事長「論点すり替え」発言、よくぞ言ってくださった。

安定的な皇位継承などを議論する政府の有識者会議が出した
報告書について、立憲民主長の西村智奈美幹事長が
論点のすり替えだとして、党内に検討委員会を設置する
考えを示した。

立民幹事長、皇位継承報告を批判「論点すり替え」
https://www.sankei.com/article/20211223-HPIPWMWHZ5PZFGJ5EDCTKBJBRE/

曰く、
報告書の内容は、皇室典範特例法議決時の附帯決議が
求める内容になっていない。

本来議論すべき女性天皇を含めた将来的な皇位継承のあり方、
女性宮家の創設等については結論も方向性も示していない。

安定的な皇位継承という先延ばしできない課題を
先延ばしにしている。


まったくその通りだ。
西村幹事長、よくぞ言ってくださった。
有識者会議が出した最終報告は、皇族数を確保する方策として
●女性皇族が結婚後も皇室に残る案
●旧皇族の男系男子を養子に迎える案
の2つを盛り込んでいる。
しかし、これのどこが「安定的な皇位継承」になるのか、
男系原理主義者にビビッてお茶を濁しただけに過ぎない。
有識者会議には、真に尊皇心がある者、真に勇気のある者は
いなかったというよりほかない。
西村幹事長は、この体たらくにビシッとNOを突きつけた。
ぜひ立民で立ち上げる委員会で存分に議論してほしい。
これこそ政治家の役割だ。

月刊「文藝春秋」2022年1月号の高市早苗の
インタビュー記事(「女性天皇には反対しない」)を
読んだが、男系男系って、世の中には男の血しか
存在してはいけないかのような脳みその凝り固まりよう。
男系による継承こそが大事なのだとする一方、
側室制度の復活など考えたこともないと言う。
矛盾していないか。
それが男女差別になるのではないかと指摘されれば、
女性天皇はいいけれど、女系はダメなのだと言い逃れ。
その理由は、例によって「別の王朝が始まる」。
ここはシナではない、日本だ。
王朝、王朝と騒いでる間に、天皇制すらなくなる。

男系男子の皇籍復帰については、
「私は、『いらっしゃる』と思っています」だって。
そういうのを希望的観測というんだよ。
本当にいるなら、早く出てきてもらいなさいよ。
男系男子を主張するなら、そのために尽力するのが
政治家だろう。それなのに自民党では何ら議論が
なされていないというのだから、あまりにも情けない。

女で、政治家として体張ってきたのに、
天皇陛下のお務めは「女性では大変だと思う」、
「政治家の仕事でも、男性のほうが体力が
あるな、強いな」と思った、という、
男系男子の主張のために自身を低く見積もってみせている。
自己否定ではないか。自己矛盾ではないか。
妙に男性にこびへつらうセリフも薄気味悪い。
だから女はダメなんだ、とホント言いたくなるよ。
誠に残念。

朝の番組では、ピンク色の頭をした若いタレントさんが、
「僕は愛子さまになっていただいてもいいんじゃないかと思う」
「お前は歴史を知らないと言う人もいるかもしれないけど、
そうやって時代に合わせて変わってきたんじゃないか」と
至極真っ当なことを言っていた。
高市早苗より、よほど常識力がある。

立民はぜひとも庶民の常識を信じ、真摯に議論をしてほしい。
笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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